再配達問題を改善するパナソニックEW社とRobot Home子会社のインターフォン 導入初物件が千葉県松戸市で竣工

Robot Homeの子会社、Residence kitは2023年2月14日、パナソニック エレクトリックワークス社と共同開発を行ったインターフォンシステムを導入した初めての物件が2023年2月20日に千葉県松戸市で竣工したと発表した。

荷物の再配達問題への対応

 荷物の再配達問題は、集合住宅の入居者をはじめ、宅配業者にとっても問題となっている。国土交通省は、再配達問題に対し、コンビニ受取や駅の宅配ロッカー、置き配など、多様な受取方法の活用を推奨している。2021年の国土交通省の調査では、全体の約11.7%の荷物が再配達となっており、年間約6万人のドライバーの労働力に相当し、また再配達のトラックから排出されるCO2の量は年間およそ25.4万トンにも上ると推計されている。

 一方で、居住形態や宅配ボックスの有無といった違いによる再配達の発生率には大きな違いがないとの報告もある。そのため、訪問した宅配業者と直接コミュニケーションをとり、玄関先への置き配の指示や次回の配達タイミングを調整できるようになるインターフォンと連動した入居者アプリが求められていた。

 Residence kitではアプリ開発から物件の企画や管理までを一貫して行っており、不動産DXに取り組んできた。独自開発のソフトウェアや入居者用アプリケーション「Residence kit for Customer」は、IoT機器の操作だけではなく、入居している物件の管理会社とのやりとりも1つのアプリで完結し、利用ユーザーは累計2万4千人を超えている。

 今回の共同開発でResidence kitは、パナソニック エレクトリックワークス社のインターフォン機器と入居者アプリのResidence kit for Customerとを連携させ、パナソニックでも入居者アプリと連携するためのソフトウェアを開発。既存のインターフォンシステムのkit HOME ENTRANCEに加え、共同開発した新たなインターフォンも入居者アプリ上での操作が可能となった。

 インターフォンと入居者アプリとの連動で、短時間の外出中に配達に来た場合には、その場で置き配を指示し、長期間留守にする際は日程の調整を行い、再配達を一度で済ませるなど、ユーザーと宅配業者の双方の負担を低減させられる。

 なお、共同開発したインターフォンは、共同住宅用の自動火災報知設備にもなるため、既に開発中の集合住宅だけではなく、中/大型マンションでもこれからインターフォンを設置すれば、入居者アプリも使用できるようになる。

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